ソファや服に猫の毛がたくさん付くようになり、「最近、急に抜け毛が増えた?」と感じることはありませんか。
猫は一年を通して少しずつ毛が生え変わりますが、季節の変わり目には抜け毛が増えることがあります。特に春と秋は、被毛が次の季節に合わせて変化する時期です。
ただし、すべての猫に「○月から○月まで」と決まった換毛期があるわけではありません。室内で暮らす猫では、照明や空調によって季節変化の影響が小さくなり、一年を通して抜け毛が見られることもあります。
VCA Animal Hospitalsは、涼しい地域で暮らし、屋外へ出る機会のある猫では晩春と晩秋に大きな換毛が起こることがある一方、室内で暮らす猫では一年を通して少量ずつ抜けることがあると説明しています。
この記事では、秋に猫の抜け毛が増える理由、短毛猫・長毛猫それぞれのブラッシング頻度、抜け毛対策、動物病院へ相談したい抜け方について解説します。
猫の抜け毛は一年中見られますが、春と秋に増えやすいとされています。
Cats Protectionは、短毛猫でも春と秋の抜け毛が多い時期には、通常よりブラッシングの回数が必要になることがあると説明しています。
出典: Cats Protection
季節による一般的な変化を簡単に整理すると、次のようになります。
冬の間に保温を助けていた毛が抜け、暖かい季節に向けて被毛が変化していく時期です。
この時期は、ブラッシングするとまとまった量の毛が取れる猫もいます。
暑い季節の被毛から、寒い季節に適した被毛へ移行する時期です。
RSPCAも、秋から冬へ向かう時期の定期的なブラッシングについて、夏の被毛が抜けて冬の被毛へ移るのを助けると紹介しています。
出典: RSPCA
「完全室内飼いなのに、一年中毛が抜けている」という場合も珍しくありません。
VCA Animal Hospitalsでは、多くの室内猫はアンダーコートや上毛が一年を通して少しずつ抜けるとしています。
そのため、
「秋になったら必ず一気に抜ける」
「冬になったら抜け毛が完全に止まる」
とは限りません。
猫の種類、被毛の長さ、室内環境、個体差などによって換毛のタイミングや量は変わります。
猫の毛には、体を外部刺激から守る毛や、保温に役立つ細かな毛などがあります。
季節の変化に対応するため古い毛が抜け、新しい被毛へ入れ替わることで、抜け毛が目立つ時期があります。
AAHA(米国動物病院協会)も、犬や猫では春と秋に季節的な換毛が起こることがあり、秋には新しい冬の被毛が育つ過程で抜け毛が増える場合があると説明しています。
出典: AAHA
ただし、抜け毛の量は猫によって大きく異なります。
たとえば、
などによって、飼い主が感じる抜け毛の量も変わります。
猫は自分で毛づくろいをしますが、抜け毛が多い時期には飼い主によるブラッシングも役立ちます。
ブラッシングによって、すでに抜けかけている毛や死毛を取り除くことができます。
その結果、家具や衣服へ付く毛を減らすことにもつながります。
Cornell Feline Health Centerも、定期的なブラッシングやコーミングには、抜けた毛を取り除き、猫が毛づくろい中に飲み込む毛を減らすメリットがあるとしています。
出典: Cornell Feline Health Center
猫は毛づくろいをするときに、自分の毛を飲み込みます。
多くは消化管を通って便と一緒に排出されますが、一部は胃の中で毛玉になることがあります。
Cornell Feline Health Centerは、毛玉は猫が通常換毛する季節に増えやすいとし、毛玉を減らす方法として定期的なブラッシングを紹介しています。
出典: Cornell Feline Health Center
ただし、「毛玉を吐くのは普通だから問題ない」と決めつけるのは避けましょう。
何度も吐く、食欲がない、元気がないなどの変化がある場合は、毛玉以外の原因も考える必要があります。
特に長毛猫では、抜けた毛が被毛の中に残ることで毛が絡み、毛玉やマット状のもつれにつながることがあります。
脇の下、耳の後ろ、後ろ足の付け根などは絡まりやすいため、こまめに確認しましょう。
VCA Animal Hospitalsも、長毛猫では耳の周囲・脇・後ろ足の後方などで毛が絡みやすいとして、定期的なブラッシングを勧めています。
ブラッシングは抜け毛対策だけではありません。
体に触れることで、
などに気づくきっかけになります。
RSPCAも、定期的なグルーミングは猫の被毛の状態を確認し、傷や皮膚の異常などを見つける機会になるとしています。
出典: RSPCA
ブラッシング頻度は、毛の長さや毛質、その猫の状態によって変わります。
すべての猫に同じ回数が必要なわけではありません。
Cats Protectionでは、短毛猫は週1回程度のブラッシングでよい場合があるとしています。
出典: Cats Protection
ただし、猫によって抜け毛の量は異なります。
ブラシにほとんど毛が付かず、被毛にも問題がない場合は、無理に回数を増やす必要はありません。
Cats Protectionは、短毛猫でも春や秋に特に毛が抜ける時期には、週2回程度ブラッシングが必要になることがあると説明しています。
出典: Cats Protection
抜け毛が非常に多い猫では、皮膚の状態を確認しながら、短時間のブラッシングをよりこまめに行う方法もあります。
大切なのは、一度に大量の毛を取ろうとしないことです。
長毛猫は被毛が絡みやすいため、短毛猫よりも頻繁なケアが必要です。
VCA Animal Hospitalsは、長く柔らかい毛や巻き毛を持つ猫では、毛玉やもつれを防ぐため毎日のブラッシングが必要と説明しています。
Cats Protectionでも、長毛猫は特に毎日のブラッシングが必要になるとしています。
出典: Cats Protection
特に確認したいのは、
です。
毛が絡んでから一気に取り除くより、短時間でも毎日確認する方が負担を減らしやすくなります。
| 猫のタイプ | 通常期 | 春・秋など抜け毛が多い時期 |
|---|---|---|
| 短毛猫 | 週1回程度 | 週2回程度から調整 |
| 長毛猫 | 毎日が目安 | 毎日、毛の状態をより丁寧に確認 |
| 高齢猫・自分で毛づくろいしにくい猫 | 個体に合わせてこまめに | 体調を見ながら頻度を調整 |
※あくまで一般的な目安です。毛質、健康状態、ブラッシングへの慣れ方によって適切な頻度は異なります。
「毎日やればやるほどいい」という意味ではありません。
皮膚を強くこすったり、同じ場所を何度もブラッシングしたりすると刺激になる可能性があります。
寝起きやリラックスしている時間など、猫が比較的穏やかなタイミングを選びます。
追いかけて捕まえてからブラッシングすると、ブラシ自体を嫌いになる可能性があります。
RSPCAは、猫をグルーミングへ慣らすときは、短く定期的なセッションにし、褒めたりおやつを使ったりして良い経験と結びつけることを勧めています。
出典: RSPCA
ブラシをいきなり全身へ当てる必要はありません。
まずは、
など、普段撫でられることを好む場所から始めます。
数回ブラシを通しただけで終了しても構いません。
少しずつ「ブラッシング=嫌な時間ではない」と覚えてもらうことが大切です。
特に長毛猫では、毛の流れに沿って優しくとかします。
RSPCAも、長毛猫のグルーミングでは毛が自然に生えている方向に沿ってコームを使う方法を紹介しています。
出典: RSPCA
強く押し付けたり、皮膚を引っかいたりしないよう注意してください。
猫が、
といった反応を見せたら、いったん終了します。
RSPCAも、しっぽを振る、唸る、威嚇するといった様子が見られた場合はグルーミングをやめるよう勧めています。
出典: RSPCA
長時間一気に行うより、短い時間を繰り返す方が猫への負担を減らしやすくなります。
ブラシは「たくさん毛が取れるもの」が必ずしも一番よいとは限りません。
被毛の長さや猫の好みに合わせて選びましょう。
短毛猫では、
などが選択肢になります。
Cats Protectionでは、短毛猫にブラシやグルーミングミットを紹介しています。
出典: Cats Protection
長毛猫では、
などが使われます。
VCA Animal Hospitalsでは、長い歯の金属製コームやブラシは中毛・長毛猫の抜け毛や軽いもつれを取り除くのに役立つとしています。
ブラシ選びに迷う場合は、かかりつけの獣医師や猫の扱いに慣れたトリマーへ相談すると安心です。
換毛期には「ブラシをかけるたびに毛が取れる」ことがあります。
しかし、取れるからといって同じ場所を何度も強くこするのは避けましょう。
皮膚が赤くなったり、猫が痛がったりしたら中止します。
また、アンダーコートを取り除くタイプの道具も、製品の説明に従って適切に使うことが重要です。
猫が嫌がっているのに押さえつけて続けるのも避けましょう。
グルーミングは「抜け毛をゼロにする作業」ではなく、猫の健康な被毛を保つためのケアです。
小さなもつれであれば、毛を引っ張らないようにしながら、少しずつコームでほぐせる場合があります。
しかし、皮膚の近くで固くなった毛玉を無理に引っ張ると痛みにつながります。
特に注意したいのが、ハサミで毛玉を切ることです。
猫の皮膚は毛と一緒に持ち上がっていることがあり、毛だけを切っているつもりでも皮膚を傷つける危険があります。
VCA Animal Hospitalsは、大きな毛玉を取り除く際にはハサミを使用せず、重度または広範囲のもつれは獣医師や専門のグルーマーへ相談するよう勧めています。
毛玉が、
場合は、自宅で無理に処理せず動物病院へ相談してください。
猫の換毛そのものを止めることはできません。
しかし、抜けた毛が家中へ広がるのを減らすことはできます。
床へ落ちる前に抜け毛を取り除くことが、基本の対策です。
一度に長時間ではなく、猫が嫌がらない範囲でこまめに行いましょう。
猫が長時間過ごす場所には抜け毛が集まりやすくなります。
猫用ベッド、毛布、クッションなどを定期的に掃除しましょう。
カーペットやソファには毛が入り込みやすいため、こまめな掃除が効果的です。
抜け毛や細かなほこりが増える時期は、エアコンや空気清浄機のフィルターにも毛がたまりやすくなります。
機器の説明書に従って定期的に手入れしましょう。
家全体を毎日掃除するのが大変な場合は、
など、猫が長く過ごす場所を中心に掃除すると効率的です。
季節の換毛で毛が多く抜けること自体は珍しくありません。
しかし、「抜け毛が多い=すべて換毛期」ではありません。
ASPCAは、室内猫は一年を通して換毛することがある一方、脱毛部分がある、明らかに毛が大量に失われている場合には健康上の問題が隠れている可能性があり、獣医師による確認を勧めています。
出典: ASPCA
次のような場合は動物病院へ相談しましょう。
Cornell Feline Health Centerも、過剰な毛づくろいによって脱毛や皮膚病変が生じることがあり、皮膚の問題やストレスなどが関係する可能性があるとしています。
出典: Cornell Feline Health Center
年齢を重ねると、関節の動きが悪くなるなどの理由で、自分では届きにくい場所が増える猫もいます。
その結果、
などの毛づくろいが十分にできなくなることがあります。
Cats Protectionは、高齢や運動能力の低下によって自分で十分にグルーミングできない猫では、人によるケアが必要になる場合があるとしています。
出典: Cats Protection
「最近、毛がボサボサになった」「毛玉が増えた」という変化は、単なる年齢の問題だけではなく、関節の痛みや体調変化が関係している可能性もあります。
急な変化があれば獣医師へ相談してください。
換毛期の抜け毛は、毎日見ていると量の変化に気づきにくいものです。
たとえば、
9月上旬
ブラッシングしても毛は少なめ。
9月下旬
ブラシに毛がたくさん付くようになった。
10月
抜け毛は多いが、皮膚や食欲はいつも通り。
というように記録しておくと、その猫の季節ごとの変化が見えてきます。
記録するときは、
などを一緒に残すと振り返りやすくなります。
にゃんログでは、毎日の写真と一緒に猫の様子を記録できます。
「毎年この時期になると毛が増える」
「去年より毛玉ができやすくなった」
「最近、自分で毛づくろいする時間が減った」
など、日々の変化を比較するきっかけとして活用できます。
AI気持ち診断は、皮膚病や脱毛の原因を診断するものではありません。部分的に毛が抜けている、皮膚が赤い、強くかゆがるなどの異常がある場合は、写真だけで判断せず動物病院へ相談してください。
猫の換毛は一年を通して起こりますが、春と秋には抜け毛が増える猫がいます。
特に秋は、寒い季節に向けて被毛が変化する時期です。
ただし、完全室内飼いの猫では一年を通して少しずつ抜けることもあり、換毛期の時期や抜け毛の量には個体差があります。
ブラッシング頻度の目安は、
です。
ブラッシングは抜け毛を減らすだけでなく、毛玉の予防や、皮膚・体の変化に気づく機会にもなります。
一方で、地肌が見えるほどの脱毛、赤み、強いかゆみ、過剰な毛づくろいなどがある場合は、単なる換毛期ではない可能性があります。
「どれだけ抜けたか」だけを見るのではなく、その子の普段の被毛や皮膚との違いを確認することが大切です。
VCA Animal Hospitals - Coat and Skin Appearance in the Healthy Cat
https://vcahospitals.com/know-your-pet/coat-and-skin-appearance-in-the-healthy-cat
VCA Animal Hospitals - Grooming and Coat Care for Your Cat
https://vcahospitals.com/flannery/know-your-pet/grooming-and-coat-care-for-your-cat
Cats Protection - Grooming Your Cat
https://www.cats.org.uk/help-and-advice/cat-behaviour/grooming
Cats Protection - Choosing the Right Cat For You
https://www.cats.org.uk/adopt-a-cat/choosing-a-cat
RSPCA - Grooming Your Cat
https://www.rspca.org.uk/adviceandwelfare/pets/cats/health/grooming
RSPCA - Cold Weather Care for Cats
https://www.rspca.org.uk/adviceandwelfare/seasonal/winter/pets/cats
Cornell Feline Health Center - Choosing and Caring for Your New Cat
https://www.vet.cornell.edu/departments-centers-and-institutes/cornell-feline-health-center/health-information/feline-health-topics/choosing-and-caring-your-new-cat
Cornell Feline Health Center - The Danger of Hairballs
https://www.vet.cornell.edu/departments-centers-and-institutes/cornell-feline-health-center/health-information/feline-health-topics/danger-hairballs
Cornell Feline Health Center - Cats that Lick Too Much
https://www.vet.cornell.edu/departments-centers-and-institutes/cornell-feline-health-center/health-information/feline-health-topics/cats-lick-too-much
ASPCA - Cat Grooming Tips
https://www.aspca.org/pet-care/cat-care/cat-grooming-tips
AAHA - Why Does My Pet Shed?
https://www.aaha.org/resources/pets-and-shedding/