「にゃー」と長く鳴いたと思ったら、今度は「にゃっ」と短くひと声。
毎日一緒にいると、「今の鳴き声は何だったんだろう?」「ごはんが欲しい?それとも甘えている?」と気になることがありますよね。
猫は、鳴き声だけで気持ちを伝えているわけではありません。耳やしっぽ、目、姿勢、行動なども使ってコミュニケーションしています。
また、同じ「にゃー」でも、猫によって使い方は異なります。飼い主の反応を経験するなかで、特定の鳴き方を覚えることもあります。Cats Protectionは、猫が人とのコミュニケーションのためにさまざまな鳴き声を学習し、それぞれの猫に固有の鳴き方が生まれることがあると説明しています。
出典: Cats Protection
この記事では、猫によく見られる14種類の鳴き声と、気持ちを読み取るときのポイントを紹介します。
結論からいうと、鳴き声だけで猫の気持ちを正確に決めることはできません。
たとえば「にゃー」という鳴き声ひとつでも、
など、さまざまな可能性があります。
そのため、鳴き声+表情+耳+しっぽ+姿勢+そのときの状況を合わせて考えることが大切です。
たとえば、ごはんの時間に食器の前で「にゃー」と鳴いている場合と、夜中に部屋を歩き回りながら何度も鳴いている場合では、同じ鳴き声でも意味が違う可能性があります。
「にゃー」と「にゃっ」に、すべての猫へ共通する明確な翻訳があるわけではありません。
ただ、鳴き声の長さ・高さ・回数・強さを見ることで、その猫が何を求めているのか推測しやすくなります。
短い鳴き声は、飼い主を見たときや近づいたときなど、ちょっとした挨拶や注意を引く場面で使われることがあります。
「来たね」「ねえ」「こっち見て」といった軽い呼びかけに近い場合があります。
短い鳴き声よりも、何かを要求しているときに見られることがあります。
たとえば、
などです。
Cats Protectionも、猫によって「短い鳴き声は注目を求めるとき」「長めの鳴き声は食事を求めるとき」など、飼い主との間で独自の使い分けが生まれることがあると説明しています。
出典: Cats Protection
飼い主を見た瞬間などに、短く一声だけ鳴くことがあります。
比較的リラックスした状態で、自分から近づいてくる場合は、挨拶や軽い呼びかけの可能性があります。
たとえば、帰宅したとき、猫の名前を呼んだとき、目が合ったとき、猫の近くを通ったときなどです。
ただし、毎回同じ意味とは限りません。鳴いたあとに猫がどこへ行くのかを見ると、その目的がわかりやすくなります。
もっともよく聞く鳴き方のひとつです。猫が人へ何かを伝えようとしている可能性があります。
ごはん皿へ向かえば「ごはん」、おもちゃの前へ行けば「遊びたい」、ドアの前へ行けば「開けてほしい」といったように、前後の行動を見ることが重要です。
成猫の「ニャー」は、猫同士よりも人とのコミュニケーションでよく使われる特徴的な鳴き声です。
長く伸ばす鳴き方は、要求が強くなっているときに聞かれることがあります。
「早くごはんが欲しい」「ここを開けて」「こっちへ来て」といった状況です。
同じ要求を繰り返しても叶わないと、鳴き声が長くなったり、回数が増えたりする猫もいます。
ただし、急に長い鳴き声が増えた場合は、不安や体調変化も考えてください。
連続して鳴く場合は、飼い主へ強く注意を向けてもらいたい可能性があります。
など、理由はさまざまです。
鳴くたびにすぐ食事やおやつを与えると、「鳴けばもらえる」と学習することがあります。まず食事、トイレ、遊び、環境などに問題がないか確認しましょう。
日本語では「トリル」「さえずり」のように表現される鳴き声です。
母猫が子猫を呼ぶときにも使われますが、家庭の猫では、人へ近づきながら友好的な挨拶として使う場合があります。
Cats Protectionも、短いトリル状の鳴き声を、母猫が子猫を呼ぶときや、人への挨拶で使われる音として紹介しています。
出典: Cats Protection
猫がしっぽを立てて近づきながらこの声を出しているなら、比較的友好的な状態と考えられます。
飼い主に撫でられているときや、暖かい場所で休んでいるときのゴロゴロ音は、リラックスや満足と関連している場合があります。
しかし、ゴロゴロ=必ず幸せではありません。
猫は痛み、不安、緊張などがあるときにも喉を鳴らす場合があります。
次のような変化も一緒にある場合は注意しましょう。
ゴロゴロ音だけで体調を判断しないことが大切です。
窓の外の鳥や虫を見ながら、猫が口を細かく動かして「カカカ」「ケケケ」のような音を出すことがあります。
一般に「チャタリング」と呼ばれる行動です。
獲物を見たときの興奮などと関連すると考えられていますが、「悔しいから鳴いている」など、猫の内面を一つの感情へ断定することはできません。
鳥や虫を見ているときに限定して起きるのであれば、狩猟行動に関連した反応のひとつとして観察するとよいでしょう。
低い唸り声は、警告の意味を持つことがあります。
「これ以上近づかないで」という意思表示と考え、無理に触ったり抱き上げたりしないようにしましょう。
猫が脅威を感じた場合、唸り声から威嚇、引っかき、噛みつきへ発展することがあります。
猫が逃げられる場所を確保し、距離を取ります。
猫の代表的な威嚇音です。
怒っているように見えることがありますが、必ずしも「攻撃したい」という意味ではありません。
怖い、近づいてほしくない、逃げたいといった防御的な反応として出る場合があります。
Cats Protectionは、猫のシャーという声や唸り声を、相手へ距離を取るよう求める防御的なコミュニケーションとして説明しています。
出典: Cats Protection
シャーと言われたら叱らず、猫との距離を取ってください。
大きく強い鳴き声は、強い不快感、恐怖、猫同士の争い、痛み、発情に関連する行動などで聞かれることがあります。
特に、これまで聞いたことのない大声を突然出した場合は、その前後の状況を確認してください。
触った瞬間に鳴いた、歩き方がおかしい、体を動かしたがらないなどの場合は、痛みがある可能性があります。
一般に「yowl(ヨウル)」などと表現される、長く響く鳴き声があります。
発情している猫が相手を求めるときのほか、不安、ストレス、不快感、痛みなどでも見られる場合があります。
特に、トイレで力みながら大声を出している場合は注意が必要です。尿が出ない、少量しか出ない場合は、尿路の問題など緊急性の高い状態の可能性があります。
いつもより高い鳴き声だからといって、「うれしい」と一律に判断することはできません。
猫は状況によって鳴き声の高さや強さを変えます。人への挨拶や要求のときに比較的高い声を使う猫もいます。
一方、痛みや驚きで高い声を出す場合もあります。
声の高さではなく、体の力が抜けているか、耳が自然な位置か、しっぽはどうなっているか、何をしているときに鳴いたかまで確認してください。
低めの鳴き声も、猫によって意味が異なります。
要求が強くなっている、不満を感じている、不安や緊張があるといった状況で聞かれる場合があります。
耳を後ろへ倒す、しっぽを大きく振る、体を低くするなどの姿勢も同時に見られる場合は、触らずに距離を取った方がよいでしょう。
口を開けて鳴いているようなのに、ほとんど音が聞こえないことがあります。
いわゆる「サイレントニャー」と呼ばれることがあります。猫によっては、飼い主への呼びかけのように使うことがあります。
ただし、以前は普通に鳴いていた猫の声が急に出なくなった場合は別です。
かすれ声や声が出ない状態が続く場合は、喉や気道などに問題がないか、動物病院へ相談してください。
猫の気持ちを知りたいときは、鳴き声そのものよりも「鳴いているときの全体像」を見ることが大切です。
耳が自然に前を向いているか、横や後ろへ倒れているかを確認します。横や後方へ強く倒れている場合は、不安や警戒がある可能性があります。
しっぽを立てて近づいているのか、体へ巻きつけているのか、大きく振っているのかでも状態は異なります。
瞳孔が大きく開いている、目を見開いているなどの場合は、興奮や恐怖などが関係していることがあります。
一方、体もリラックスしてゆっくり目を細めている場合は、比較的落ち着いている可能性があります。
リラックスして体を伸ばしているか、体を小さくして緊張しているかを見ます。同じ「にゃー」でも、姿勢によって考えられる状態は大きく変わります。
これは特に重要です。
鳴いたあと、ごはん皿へ行った、おもちゃを見た、ドアの前へ行った、飼い主の横へ座った、トイレへ入った、隠れたなど、その後の行動を見ることで目的を推測しやすくなります。
猫の鳴き方には大きな個体差があります。
よく人へ話しかけるように鳴く猫もいれば、ほとんど声を出さない猫もいます。
猫は、人が自分の鳴き声にどのように反応するかを学習します。そのため、よく話しかけたり鳴き声へ反応したりする家庭では、猫が人とのコミュニケーションに鳴き声を多く使うようになる場合があります。
出典: Cats Protection
鳴かないから愛情がない、よく鳴くから甘えん坊、と単純に判断することはできません。その猫の「普段」を知ることが大切です。
これまであまり鳴かなかった猫が急によく鳴くようになった場合は、環境だけでなく体調にも注意してください。
たとえば、
などが鳴き声の変化につながる場合があります。
特に中高齢の猫では、鳴き声が増えた場合に医学的な原因を除外するための診察が推奨されることがあります。
高齢猫では、夜間に歩き回る、方向感覚が分からないように見える、過剰に鳴くといった変化が見られることもあります。Cornell Feline Health Centerは、高齢猫の過剰な鳴き声や夜間の鳴き声が、認知機能の変化だけでなく、甲状腺機能亢進症や高血圧などの病気と関連する場合があると説明しています。
出典: Cornell Feline Health Center
「年を取ったから」と決めつけず、変化があれば獣医師へ相談してください。
次のような場合は、単なる「猫のおしゃべり」と判断せず、体調を確認してください。
特に、トイレで力んでいるのに尿が出ない、呼吸が苦しそう、立てないなどの場合は、早急な受診が必要です。
猫の鳴き声には、すべての猫に共通する辞書があるわけではありません。
だからこそ、「この声のあとには、いつもごはん皿へ行く」「この鳴き方は遊びたいときに多い」「病院へ行く前はいつも低い声になる」など、その子自身のパターンを知ることが大切です。
たとえば記録するときは、
鳴き声
「にゃっ」と短く2回
そのときの様子
しっぽを立てて近づいてきた
その後の行動
おもちゃの前へ移動した
というように残しておくと、後から意味を推測しやすくなります。
猫の気持ちは、鳴き声だけではわかりません。
同じ「にゃー」でも、しっぽを立てている、耳を伏せている、目を細めている、体を低くしているなどによって、考えられる状態は変わります。
にゃんログでは、その日の猫の写真と一緒に、気になった行動や出来事を記録できます。
「今日はいつもよりよく鳴いていた」「この表情のときは短く鳴くことが多い」といった小さな出来事を積み重ねることで、その子らしいコミュニケーションのパターンを振り返りやすくなります。
AI気持ち診断は、鳴き声の意味や猫の病気を確定するものではありません。急に鳴き方が変わった、痛そう、トイレがおかしいなどの変化がある場合は、アプリだけで判断せず動物病院へ相談してください。
猫の鳴き声には、「にゃっ」という短い声、「にゃー」という呼びかけ、長く伸ばす鳴き声、トリル、ゴロゴロ、チャタリング、唸り声、シャーという威嚇、大きな叫び声、長いヨウルなど、さまざまな種類があります。
ただし、「この音なら必ずこの気持ち」という決まりはありません。
猫の気持ちを読み取るときは、鳴き声の長さや高さだけでなく、耳、目、しっぽ、姿勢、その前後の行動まで一緒に確認しましょう。
そして、一番参考になるのは「その猫が普段どう鳴いているか」です。
毎日の何気ない鳴き声や表情を記録していくことで、その子だけの「猫語」が少しずつ見えてくるかもしれません。
VCA Animal Hospitals - Why Do Cats Meow?
https://vcahospitals.com/resources/behavior-cat/communication/why-do-cats-meow
Cats Protection - How to speak cat: why do cats meow?
https://www.cats.org.uk/cats-blog/how-to-speak-cat-why-do-cats-meow
VCA Animal Hospitals - Meaning of Cat Sounds
https://vcahospitals.com/pediatric/kitten/behavior-training/meaning-of-cat-sounds
VCA Animal Hospitals - The Cat's Meow: Caterwauling in Cats
https://vcahospitals.com/know-your-pet/the-cats-meow-caterwauling-in-cats
Cats Protection - Why do cats make sounds?
https://www.cats.org.uk/cats-blog/why-do-cats-make-sounds
VCA Animal Hospitals - Cat Behavior Problems - Vocalization
https://vcahospitals.com/morris/know-your-pet/cat-behavior-problems---vocalization
Cornell Feline Health Center - Special Needs of the Senior Cat
https://www.vet.cornell.edu/departments-centers-and-institutes/cornell-feline-health-center/health-information/feline-health-topics/special-needs-senior-cat